ICUに配属されたら何から勉強する?

まずは解剖生理学

最初から患者を受け持つことはないかと思います。研修やシャドウなどで一週間はすぎるかと。

その期間に最低限の解剖生理学のおさらいをしましょう。急いで疾患や人工呼吸器の勉強をしてしまいたくなりますが、ここをすっ飛ばすと疾患の勉強をしても丸暗記で内容をさほど理解できてないということになります。例えば血圧=心拍出量✖️末梢血管抵抗であることが理解でいていれば、血圧が高い人に対して①血管内のボリュームが多い②末梢血管が収縮し抵抗が高いの2つの視点が得られ、術後血圧の高い人へどちらのアプローチが良いか考える材料となります。さらに前負荷、後負荷という解剖生理も理解しておけばもう循環に対しては8割アセスメントができます。

とはいえ範囲広すぎ無理ってなりますよね。先輩として1年目に最低限求めるのは呼吸・循環です。ついで意識のことでしょうか。なのでまずはここを抑えましょう。

呼吸

呼吸はどのようにするのか。ネットでも参考書でもひとまず「呼吸」「解剖生理」と打てば出てくるでしょう。中枢(気道)→末梢(肺胞)という空気の流れ、ガス交換のメカニズムは最低限覚えましょう。SpO2が低下した!となった時に気道〜気管支、肺胞の問題か?肺胞を取り巻く血流の問題か?大抵はそのどちらかもしくは両方が問題でそれが理解できているはあとはその人の状態や疾患に合わせてアセスメントするだけです。挿管されていればよくあるのは痰詰まりですね。この人弁置換術後の人で心臓いじってる人なのになんで?と解剖生理が理解されてなければおそらく焦ります。でも大元の原因はさっきも言った通り気道から肺胞への通り道の問題かそこを流れる血流の問題です。この場合術後鎮静剤が残っている影響で咳がうまく出せす痰が詰まったつまり「気道閉塞」、多量出血による貧血や血圧低下など「ガス交換をする血液の問題」などが考えつきますね。

もちろん上記以外が原因で呼吸に影響を与えることはありますよ、呼吸筋の問題とか中枢機能の問題とか。でも最低限上記は覚えましょう。

循環

とにも書くにも血液の流れは絶対ですよ。左心室→全身→右心房→右心室→肺→左心房→左心室ですね。それから今の流れの中の臓器それぞれの役割も大事です。

血液は肺を通りガス交換によって酸素化された血液を全身に送りますね。この辺ですよ、もうしょっちゅう循環考える上で大事なの。ICUに入る人は大抵なんらかの原因で心機能が落ちています。心機能低下=左心室の機能が落ちていると考えて良いです。左心機能の低下により全身に血液が送れないので血圧が下がる、全身に送り出せない分左心房左心室に血液が溜まる、さらにさらに悪化すると肺静脈を通り肺に血液が溜まってしまうと肺が水びだしになる、このように考えていきますね。これは上記の臓器の役割を考えながら血液の流れを逆にたどっただけです。ついでに前負荷、後負荷なんて言葉も調べておくとかっこよく報告できるかもしれません。

あとは最初に示したように、血圧=心拍出量✖️末梢血管抵抗ということ。血圧が低いといことはどちらかもしくは両方が阻害されていると考えればいいだけです。あとはその人の状況、疾患をプラスしたら完璧です。敗血症の患者さん、血圧が下がってます!考えるのは「炎症によって血管内ボリュームがないつまり心拍出量が少ないから。」あとは「発熱等の影響で末梢血管が開く(抵抗が下がる)から」と言ったように上記の式に当てはめれば原因がわかりますね、あとは各々に対して対応するだけです。

解剖生理の次に疾患や呼吸器のこと

余裕があれがその他の解剖生理も

そもそも細胞の役割的なところを勉強してと後々色々つながります。エネルギー産生とかカリウムとかナトリウムのこととかですね。最初に勉強するのももちろんありですがもう奥深いので個人的には呼吸、循環の後でもいいかなと。あとは中枢系も忘れずに。

疾患に関して

もう先輩に聞きましょう。その病院でよくくる術後の患者のこと。2年目とか3年目とかの人によくくる術後患者の疾患教えてください!と。そこからはもうしらみつぶしに勉強です。

個人的に循環器外科であれば弁膜症、心筋梗塞。脳外科であれば脳腫瘍、くも膜下出血、脳梗塞。消化器外科であれば食道がん、膵炎、大腸がん。呼吸器外科であれば肺がん。そのあたりですか。

あと院内急変であれば消化管先行、急性心筋梗塞、心不全増悪、敗血症あたりでしょうか。

人工呼吸器に関して

機械によって設定の呼び名が変わるのでややこしいですね。先輩に呼吸の種類聞いちゃってください。

中身は一緒です。この2つの設定覚えときゃどうにかなります。「A/Cモード」「SPONTモード」です。呼吸器のサポートをたくさん必要とするか、概ね患者自身の呼吸が主で軽いサポートで良いかの違いです。他にも設定はたくさんありますがこの2つを覚えて理解できればあとは大丈夫です。

終わりに

最初の1ヶ月は本当に毎日勉強です。ここで基礎を飛ばすか飛ばさないかで後々変わります。私は基礎を飛ばして疾患から勉強したばかりにかなり遠回りしました。

今度はアセスメントや報告の仕方、おすすめの本など書きますね。

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